第4章 秘密の特訓
夕に“行ってくる”と声をかけて蛍のもとへ。
『どしたの?2年の教室まで…』
蛍「香さん、これ忘れたでしょ」
蛍の手元にはわたしのスマホ。
『わ!ほんとだ!わざわざありがと!』
顔を見上げると蛍が屈んでコソッと喋った。
蛍「香さん例の件ですけど、それでいいです」
例の件って…王様のことか!
蛍はスマホを指差していた。
『それって…連絡先?』
こくんと頷く。
『え、そんなんでいいの?』
蛍「充分です。」
蛍のスマホをもらって連絡先を登録すると、LINEも…と言われたのでLINEも教えた。
蛍「じゃあ、後で連絡するんで僕のちゃんと登録してくださいよ」
『うん、わかった。ありがとね、届けてくれて』
バイバイと手を振り席に戻ると、夕がむすっとした顔で待ってた。