第12章 合宿4日目
「あ?あんた烏野の人?」
『え、はい。そうです…けど?』
「へぇ。名前は?…あ、俺は黒尾 鉄郎。てっちゃんって呼んで」
『てっちゃん…?わたし、神山 香です。』
黒「香な。オケ、わかった。じゃあ、またな!」
ニヤリと笑って、てっちゃんはその場から去る。
背中を眺めていると、あることに気づいた。
『“NEKOMA”…え、音駒?!』
てっちゃんの腰に巻かれたジャージに書いてあったのは“NEKOMA”の字。
まさか…とは思うものの、蛍よりも若干背が高いように見えた彼。
しかも、こんなところにいるってことは、明日の対戦相手に違いない。
『最近よく前日に対戦相手に会うな…』
そんなことを呟きながら、とりあえず買い物を進めた。