第10章 合宿2日目
『ん?』
部屋に戻ろうと廊下を曲がる。
その先には大地先輩と旭先輩の後ろ姿が見えた。
ゆっくり近づくと廊下の向こう側から声が聞こえてくる。
わたしは2人に目で声をかけると、大地先輩が隣に来るように指差した。
静かにして向こう側に意識を向ける。
どうやらそこにいるのは烏養さんとスガ先輩。
菅「大地と旭と1年の時から一緒にやってきました。一緒のコートに立ちたいです。1プレーでも多く…影山が疲れた時、何かハプニングがあった時…穴埋めでも代役でも」
烏「……」
菅「“3年生なのに可哀想”って思われても試合に出られるチャンスが増えるならなんでもいい。正セッターじゃなくても出ることは絶対諦めない。そのためによりたくさんのチャンスが欲しい。」