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【イケメン革命】月小屋続編◆返還の祭典【R-18】

第12章 DAY6【レイ・ブラックウェル】



「レイア、こいつら緊急退避」

「え?」


レイの右手が剣の柄にかかっているのを見て、嫌な予感を覚えた。

レイアは慌てて猫たちを物陰に連れて行く。


「お前も隠れてて」

「う……うん」

猫たちを抱えながら、レイアは物陰に隠れてそっとレイを見守った。


レイは不穏な気配をいち早く察知しようと神経を研ぎ澄ませている。



「………っ…!!」

剣の柄が握られ、引き抜きざま天へ向かう。


キーーンッ!!

剣は間一髪、頭上から現れた黒尽くめの男の剣と交わる。


(えっ?!どこから現れたの?!)


音もなく空から現れた黒尽くめの相手にレイアは目を見開いた。


レイはその相手を弾き飛ばすと、中段の構えで距離をとり相手を睨みつける。



「誰だよ、お前」



全身黒い服、顔を覆った黒いマスクで何者か全く分からない。


「………」

相手は黙ったまま、懐に手を入れると何かを取り出した。

それを見てレイは僅かに動揺する。


「……くそっ、魔宝石か!」

そうつぶやいたと同時に男の手から光が放たれる。


レイは身構えてそれを避けようとした。


……しかし、光が収まると、そこにあった人影は消えていた。


「……消えた?」

魔宝石は移動に使われたのか、黒尽くめの相手はいない。



レイはすぐさまはっとなって振り返る。
物陰から見守るレイアと目が合った。


「………っ!!」


レイが息を呑んだのとほぼ同時。
レイアは背後に人の気配を感じた。

冷たい刃先が首筋に当てられる。

「終わりだ」

黒いマスクの下からくぐもった声が聞こえた。


その時だった。




「終わりじゃねぇーよ、今から始まりだろうが」


黒尽くめの男の背中に銃口が突きつけられた。

「…っ!!」

男が息を呑む。


「楽しそーだな、俺も混ぜろよ」

「……フェンリル?!」

刃先を突きつけられ動けないレイアは、その声の主を言い当てる。

「キングとエース相手じゃ、人質取っても分が悪いぜ?」

「…………」

男は観念したように、レイアに突きつけたナイフを地面に落とした。
「手上げて、ゆっくりレイアから離れな」

フェンリルがそう言った瞬間

「あっ!!」

魔宝石の光が再びあふれる。
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