【イケメン革命】月小屋続編◆返還の祭典【R-18】
第12章 DAY6【レイ・ブラックウェル】
案内された訓練場には十数人ほどの学生が整列して待機していた。
学生は皆男子ばかりだ。
レイアはその片隅に腰掛けながら見学している。
「今日は黒の軍から、キング・レイ=ブラックウェル先生が来てくれた。皆、この機会に腕を磨くように」
(ブラックウェル先生……似合わない)
思わず笑いそうになるのをレイアは堪えた。
レイも少し照れたような顔をしていたが、すぐ訓練に入った。
「じゃあ、とりあえず1対1になって手合わせして」
学生たちが間隔をあけながら手合わせをしていく。
練習用の剣がぶつかり合う音が響き渡り、訓練場は一気に騒がしくなった。
しばらくすると、レイはやめる合図を出す。
「……お前ら、既存の型にとらわれすぎ。実践はそんなセオリー通りの攻められ方しねえから」
そう言って、前列の学生を一人呼び出し、相手させる。
「いいか?例えば…こう来たときにここががら空きだ。実践だとここが狙われる」
「先生、その場合どう応戦すればいいんですか?」
「……実践では、剣だけしか使っちゃいけないなんてルールはねえ。だから…俺だったらこうする」
そう言ってレイは空いている空間に蹴りを入れようとする。
学生からは「おお!」という歓声が上がる。
「いいか…剣術も大事だけど、もっと組み手やった方がいい。体術の基本が組み手、そこから剣術も派生してる」
そして引き続き訓練が続けられ、授業が終わる時間が近づいてきた。
「何か質問とか、ある?」
レイが全体に問う。
「先生、キングたちのように強くなるにはどうしたらいいんですか?」
それは、学生全員の質問でもあったようだ。
皆、レイの言葉に注目する。
レイは、ふっと笑いを一つこぼし
「……最高の『悪友』を見つけて、朝から晩まで喧嘩することだな」
その言葉にはさすがにレイアもふきだした。
しかしそれは、学生たちの笑い声にかき消されていった。