【イケメン革命】月小屋続編◆返還の祭典【R-18】
第3章 1st Night【ランスロット・キングスレー】※R-18
Lancelot side--------
愛する者と結婚し、子をなすと…
あのようなことが日常になるのか…
月小屋のベッド。
天井を仰ぎながら昼間の出来事を思い出す。
両軍の休戦協定が結ばれてから、セントラル地区へ赴く機会が少し増えたものの
日常的に子供と触れ合う習慣はランスロットには無い。
つないだ手は想像以上に温かく
肩車をすると想像以上に軽かった。
(世継ぎのことを思えばいずれ真剣に向き合わねばならないのだが…)
そこでふと脳裏によぎるのは
満面の笑みでパスタを頬張るレイアの顔だった。
「ふ………」
自分は、ヨナのように心の底から愛せる者と出会える気がしない。
(羨ましいものだ)
静かに目を閉じながらそんなことを考えていると、ふと顔に雫が落ちてくる。
「……っ」
「あ、ごめんなさいっ」
目を開けると、そこにはレイアの覗き込む顔があった。
石鹸の香りがふわりと漂い、顔に落ちた雫はレイアの濡れた髪からだったことに気づく。
ランスロットは起き上がり、レイアに座るよう促した。
そして、肩に掛けられたタオルを奪うと、濡れたレイアの頭に被せた。
「きゃっ」
「じっとしていろ」
ランスロットは後ろから優しくレイアの髪を拭く。
タオル越しからも、レイアがひどく緊張しているのがわかる。
「…………」
「アリス」
「は、はい……」
「緊張しているのか」
「!!えっと…その………はい」
消え入るような小さな声で頷くレイアは、顔を真っ赤にしていて、ランスロットの微かな嗜虐心に火がつく。
「ほう……しかしアリス?」
髪を拭き終え、後ろからレイアの顎を捉える。
「んっ……」
赤く染まった顔と視線が絡む。
「嫌がっているようには見えんな……むしろ」
ランスロットは口端に笑みを見せ、唇が触れそうな距離にまで近づく。
「何か期待しているようにすら見える」
「………!!」
あまりの恥ずかしさに目を潤ませるレイアが、とても可愛らしく見える。
しかし、月小屋の宴の時とは明らかに違う色香を感じたのも事実だ。
ランスロットは、腹の底に熱い疼きを覚えながら、チェストの上に用意されていた指輪を手に取った。