第21章 王子があなたに出来ること
扉を明け
とりあえず机に突っ伏した
和「なに、さぼり?(笑)」
声にびっくりして慌てて顔を上げる
「に、二宮…」
誰かいたなんて気づかなかった
最悪、私泣いてるし
和「だから、和也って呼んでよ(笑)」
泣いていることにつっこんでこない
「ごめん…」
柄にも無く素直に謝ってる自分
反論する元気もない
これはもう相当きてる
奥のソファーに座っていた二宮が私の方に歩み寄る
そして、優しく後ろから抱きしめてきた
和「泣いていいよ」
いつもより優しい声
「二宮…」
私を抱きしめる力が強くなり
和「好きなのに伝わんないってつらいよな」
私の首に顔を埋めて
かすれがかった声でそう呟いた
わたし達はしばらくそのままでいた