第5章 放したくないって思ったら、自然と身体が動いてた
「笠松先輩何かあったんですか!?何か元気無く無いですか!?オ(レ)相談乗(り)ますよ!」
鼻息荒く、早口で喋る早川を見て大きな溜息をついた。
「別に何でもねーよ。」
「そうだ。早川。これはお前が解決するには少し難しい問題だからな。」
隣で黙々とうどんを食べていた森山が意味深な言葉を発した。
「は?何言ってんだ。別に悩みもねーし、解決云々とかそういう話じゃねーよ。」
「笠松。何も言わずとも俺は分かっているぞ。」
「は?意味わかんねーし。」
「あ、浅倉。」
森山の視線の先を辿ると、そこには浅倉と例の男子生徒。昼まで一緒に食べるって事は、やっぱりそういう事か。何故か重たくなった気持ちに違和感を覚えた。…別に浅倉が誰と付き合おうと俺には関係ねえ。