第16章 実力
「けどお前、強くなるってもどうすんだよ。」
「わかりません。」
「おい。」
「でも必ず見つけます。ウィンターカップまでに。」
「…バーカ。トロいこと言ってんなよ。俺も強くなる。のんびりしてたら置いてっちまうぞ?とっとと強くなりやがれ。そんで、冬に見せつけろ。新生黒子のバスケを。」
火神が握り拳を黒子の方へ向けた。そして黒子も、握り拳を作り、火神の握り拳と合わせた。
「…」
私は自然と微笑んでいた。
「…」(テツ君の光が、大我君で良かった。)
「つかお前、菜月。」
「!…」
「前歩け、何かあったら危ねぇだろ。」
「う、うん。」
私は黒子と火神の前を歩いた。
「お前、なんであそこにいたんだよ。」
「…お兄ちゃんに言われて、自分でも気づいたんだ。」
「お兄ちゃん…って…あぁ…。」
「佐野先輩ですか?」
「うん。」
「クソッ、今度はぜってぇ勝つ。」
『無理だと思います。』
「あぁ!?つか2人でハモらせんな!」