第3章 力
洗濯と掃除をして
それからちょっとだけ昼寝もして。
日用品を買いに出て戻ってきた時には既に夕方になっていた
夕飯どうするかな
ファミレスであの子と食べようか
時間が時間だけにもしかしたら食べてきたって言われちゃうかもしれないけど…
「我慢しよ」
シャワーを浴びて出掛ける準備をする
洋服はTシャツといつものジーンズ
普段通りの俺でいい
姿見で全身チェックした
そうだ、代金…
潤に言われた通りの代金を茶封筒に入れる
…やっぱり複雑な気持ち。
「ダメ、ダメ!切り替えないと!」
よしっ!と気合を入れてから家を出て
車に乗り込み、潤にメッセージを送った
“行ってくるよ”
楽しかったよって報告できるといいな
そんな事を思いながら車を走らせた
一時間も早く着いちゃった…
「いらっしゃいませー!
禁煙席と喫煙席、どちらになさいますか?」
「あっ…喫煙席で!
それで、あの…」
「はい?」
「途中で禁煙席に変えることも可能ですか?」
「空きがあれば大丈夫ですよ。
一名様、ご案内しまーす」
『21時近くに非通知で電話が来たらそれがカズって子からだから』
潤がそう言ってた
その時に聞いてみればいい
煙草を吸わない様なら席を変えてもらおう
案内された席は店の一番奥。
そこに座ってアイスコーヒーを飲みながら
あの子が来るのを…心待ちにしていた