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デリバリー【気象系BL】

第12章 星








『なんかもう疲れちゃったよ…』


『じゃあもう帰ろう?
これ以上遅くなると母さんまたヒス起こすよ』


『ずっと居てぇな、此処に…』


『馬鹿なこと言ってないで、ホラ』


『…』


『じゃあもう知らないからね?
俺、行くよ?』





あぁ まただ
ここ最近暫く見ていなかった夢は
11年前のあの日の記憶


だけど
この日の夢は少し違った

“ねぇ、君、一人?”

俺にそう声をかけて来るはずの三人組はいつまで経っても出てこなくて
俺は一人、ズンズンと砂浜を歩いている


『いい加減にしろよ…!』


立ち止まり、振り返った先の砂浜に兄さんの姿がなかったのは同じなのに





『兄さん…? 兄さん…!
どこ行ったんだよ! 居るんだろ、返事しろよ!』


なんだよこれ
こんな展開初めて見る


『兄さん! 兄さんてば!』




その時
砂浜に青く点滅する光を見付けた

携帯電話…?

きっと兄さんのだ
兄さんの携帯が鳴る時はいつも
着信を知らせるランプが光ってたし…!

青い光をめがけて
俺は走った

砂浜に埋もれてブルブルと振動している折り畳みの携帯電話
開いた画面には“非通知”の文字


『はぁっ…はぁっ… もしもしっ…!』





『カズ、』





電話の向こうからは
穏やかな兄さんの声が聞こえたんだ
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