第9章 再会
「――…え、それってどういう……?」
緑谷もてっきり、彼女は爆豪とだけ特別な関係なんだと勝手に思っていた
それだけに、轟の先の発言は意外そのものだった
「別に、たまたまだ。怪我して医務室に行って、神奈が処置してくれた。……まあ、その後も一緒に話してたが」
「意外過ぎますわお二人!」
「意外でもなんでもねえよ。俺があいつを好きなだけでまだ片思いだ」
「「意外過ぎるわ!!!」」
なんでもない事の様にさらっと暴露しやがった言葉に、俺等はみんな体を乗り出してツッコんでしまう
「えっちょ!うそ!轟くんが!!?い、意外…!って言ったらなんか失礼か!ごめん!!」
「轟さん良いですわ!そんな!アレですわね!世にいう三角関数というやつですね!!」
「それは想像してなかったわ!!おまっ轟おまえ…!!!かっけえな!!!」
「うるせえ。車内だぞ」
轟の一言で一喝され、腹の奥から湧き出る言葉たちを彼らはなんとか飲み込む
「あいつ…爆豪も知ってる。食堂の話で、最後に会ってたことも話した」
「そう…だったのか……悪ィ、無神経に話出しちまって……」
「いや、気にしてない」
「じゃあ轟くんは…凪山さんもいるかも知れないから来てくれたの?」
「まあ…俺はどっちも救けてえから」
そう言いきった轟に、胸が熱くなる
そうか、そうだったのか……じゃあお前、今までホント辛かっただろ
だってお前、凪山さんだけじゃなく、爆豪も…最後に一緒に居たって言ってたじゃねえか
「ぜってえ、救けだすぞ」
拳をぎゅっと握りしめ、そう零す