第9章 再会
それは、一瞬だった
破壊音がした瞬間、
死柄木は扉を開け音の原因を確認した
「ッ黒霧!ゲート…!!」
理解した瞬間、死柄木はそう叫んでいた
『え…?』
神奈の角度からは、店の中がどうなっているのかまで
分からなかった
しかし粉塵がこちらに舞い込み
テレビなどで聞きなれた声が、台詞が聞こえてき
理解した
『うそ……ッ
ヒーロー………ッ!!』
気付けば涙が
頬を流れていた
「もう逃げられんぞ、敵連合…何故って!?
我々が、来た…!」
何度も何度も耳にした
ナンバーワンヒーロー
オールマイトだ
扉の向こうでは
何人もの人気ヒーローが揃い踏み
瞬く間に敵連合を拘束していた
忍者のようなコスチュームを身にまとったヒーロー、エッジショットが
開いた隣室の扉を確認し、
「爆豪勝己、凪山神奈、両名を確認!
少年の方は拘束具から大量の血液を流している状態だ
鍵はないか!?」
そこからは流石、プロヒーロー
すぐに爆豪の拘束は外され、神奈へ向け治癒の指示を出す
『ちょっと失礼』と、いつもの前置きで
ボロボロになった傷口を舐める
「っ…」
そうして、何事もなかったかのように、彼の腕は元の健康さを取り戻した
それを見ていたエッジショットは
「…やはり凄いな、君の個性は。
だからこそ……勿体ない」
複雑な表情を浮かべる彼に、神奈は意図を読めずにいた