第8章 轟焦凍:オリジン
轟「無理にとは言わねぇけど…お前が付いてきてくれれば…ちょっとは…踏み出せる気がして…」
『行こう!』
轟「!」
『一緒に行こう!焦凍くんの1歩だよ!いくらでも力を貸すよ!』
轟「…」
『ふふっ…』
轟「…?」
『あ、ごめん…頼ってくれたの嬉しくて…』
轟「………!」
『踏み出そう、1歩づつ。ゆっくり』
轟「あぁ」
轟は紅茶を飲み干し、部屋を出た
轟「ありがとな」
『ううん、また明日ね』
轟「迎えに行く。待っててくれ」
『いいの?』
轟「あぁ」
『わかった!待ってるね!』
轟「あぁ、お邪魔しました」
『いえいえ』
轟「」
『?』
轟「その…ぎゅーってやつ…してもいいか…?」
『…!いいよ…?』
ギュ…
轟「お前とこうしてると…落ち着く…」
『そっか』
しばらくして離れ、轟は帰って行った
『(デクくんとの戦いで……少し顔が柔らかくなったなぁ…)』
―――翌日―――
ピンポーン
『はーい!』
ガチャッ
轟「はよ」
『おはよう!迎えに来てくれてありがとう!』
2人は病院へ向かった
病院に着き、お母さんの病室を教えてもらい部屋の前まで来た
『(焦凍くん…手…震えてる…)』
轟「………」
は轟の手を握った
轟「!」
『大丈夫、大丈夫。たくさんお話してきてね。楽しかったことも、辛かったことも、体育祭のことも……。ゆっくりでいいからね』
轟「…」
『私はいるよ、ここに。ちゃんといるから。大丈夫』
轟は頷いて息を吐いた
そして震えのおさまった手で病室の扉を開けた
轟「…お母さん」
『(いってらっしゃい)』