第18章 THE試験
エクトプラズム「必殺!コレ、スナワチ必勝丿型、技丿コトナリ!」
セメントス「その身に染み付かせた技、型は他の追随を許さない。戦闘とはいかに自分の得意を押し付けるか!」
ミッドナイト「技は己を象徴する!今日日必殺技を持たないプロヒーローなど絶滅危惧種よ!」
相澤「詳しい話は実演を交え合理的に行いたい。コスチュームに着替え、体育館γ(ガンマ)へ集合だ」
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相澤「トレーニングの台所ランド、略してTDL 」
「「「『(TDLはマズそうだ!!)』」」」
セメントス「ここは俺考案の施設。生徒1人1人に合わせた地形や物を用意できる。台所ってのはそういう意味だよ」
上鳴「なーる」
飯田「質問をお許し下さい!何故仮免許の取得に必殺技が必要なのか意図をお聞かせ願います!!」
相澤「順を追って話すよ。落ち着け」
『さすが飯田くん……』
相澤「ヒーローとは事件、事故、天災、人災…あらゆるトラブルから人々を救い出すのが仕事だ。取得試験では当然その適性を見られることになる。情報力、判断力、機動力、戦闘力、他にもコミュニケーション能力、魅力、統率力など、多くの適性を毎年違う試験内容でためされる」
ミッドナイト「その中でも戦闘力は、これからのヒーローにとって極めて重視される項目となります。備えあれば憂いなし!技の有無は合否に大きく影響する」
セメントス「状況に左右されることなく安定行動を取れれば、それは高い戦闘力を有している事になるんだよ」
エクトプラズム「技ハ必ズシモ攻撃デアル必要ハ無イ。例エバ…飯田クン丿“レシプロバースト”」
飯田「!」
エクトプラズム「一時的ナ超速移動。ソレ自体ガ脅威デアル為、必殺技ト呼ブニ値スル」
飯田「アレ必殺技で良いのか…!!」
砂藤「なる程…自分の中に「これさえやれば有利、勝てる」って型を作ろうって話か」
ミッドナイト「そ!先日大活躍したシンリンカムイの「ウルシ鎖牢」なんか模範的な必殺技よ。わかりやすいよね」
相澤「中断されてしまった合宿での「“個性”伸ばし」は…この必殺技を作り上げる為のプロセスだった」
「「「「!!」」」」
相澤「つまりこれから後期始業まで…残り10日余りの夏休みは、“個性”を伸ばしつつ必殺技を編み出す――……圧縮訓練となる!」