第9章 蠢く
グラントリノ「俊典!!」
緑谷「『違います!!』」
緑谷「す…すみません、ちょっと電話してきますね…」
グラントリノ「撃ってきなさいよ!ワン・フォー・オール!」
緑谷「!」
『………』
グラントリノ「どの程度扱えるのか知っときたい!」
緑谷「や…えと…そんなことし…」
グラントリノ「良いコスじゃん、ホレ着て撃て!誰だ君たちは!?」
緑谷「うわああ!!」
『はぁ……』
緑谷「っ〜〜〜…僕…早く…早く力を扱えるようにならなきゃいけないんです……!オールマイトには…もう時間が残されてないから……だからこん……おじいさんに付き合ってられる時間はないんです!」
緑谷は扉に歩き出した
『ちょっと待ってデクく…!』
グラントリノは壁を弾きながら緑谷の前へ
緑谷「だったら尚更、撃ってこいや受精卵小僧」
『!』
グラントリノ「体育祭での力の使い方…あの正義バカ オールマイトは「教育」に関しちゃ素人以下だぁな」
緑谷「(同じ言い回し…トボケ方も…この人やっぱり…オールマイトの先生!!)」
グラントリノ「見てらんねえから俺が見てやろうってんだ。さァ着ろやコスチューム」
緑谷はコスチュームの入ったカバンを開いた
グラントリノ「お前さんはちょっと待ってろ」
『あの…!』
グラントリノ「ん?」
『私は体育祭には出てません…。なぜ今回私を…』
グラントリノ「…お前さんの両親に頼まれた」
『えっ…?』
緑谷「お待たせしました。よろしくお願いします。ほ 本当に良いんですか…?正直まだ完全に使いこなせないし、もっと開けた屋外じゃないと…もしうっかり100%で撃っちゃったりしたら…グラントリノさんのお身体が…」
グラントリノ「ウダウダとまァ――…じれったいな」
グラントリノは一瞬で緑谷の背後に
緑谷「え?」
ヴァム!!
緑谷「ぎゃ!!?」
グラントリノは緑谷の背中を蹴った
緑谷「撃つだけじゃないんですか!?実戦形式!?」
グラントリノ「さっきので俺の実力が見えなかったか」
グシャッ…
緑谷「!?」
『(あ…レンジ潰しちゃった)』
グラントリノ「9人目の継承者がこんな湿った男とは…オールマイトはとことんド素人だァな」
緑谷「……っ!!ぶっ!!?」
壁を弾きながら緑谷の周りを飛び回っている