第17章 心に切ない気持ちが溢れて……
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「……さん……春野さん……!」
「ッ……!」
「大丈夫……?」
そう言いながら神原秋人は私の顔を覗き込んだ。
「……うん、平気……」
そう呟きながらも私は目を伏せた。
「……ねぇ、春野さん……何回も同じことを聞くのはアレなんだけど……」
「なに……」
「博臣と何かあったんじゃないの……?」
神原秋人のその言葉に私はビクっと肩を跳ねさせて言葉を紡ぐ。
「な、何でそう思ったりする、の……? べべべ、べつに、私は博臣先輩と何もないですから……!」
「……なら、何でさっきからそんなボロボロに泣いてるのさっ!」
「……⁉︎」
(泣いて……? そんなはず……)
そう思いながら私は自分の頬に触れた。
すると、触れた頬は再び涙に濡れていたーー……。