第14章 まさか、私は本当に……
「うん、やっぱり間違いないな」
「な、何がですか? ……というか、顔……離して、下さい、よ……///」
「いや、まだダメだ」
そう呟きながら博臣先輩は更に私の顔に自分の顔を近づけてきた。
「えっ、ちょっ……まっ……///」
嫌だ、ちょっと……
このままじゃ、キスされちゃうんじゃ……
そう思った私は咄嗟に目を瞑った。
だけど、いくら待っても何も起きず……
私は恐る恐る目を開けた……。
すると……
「キス、されると思ったか?」
「えっ?」
博臣先輩はそう言った。
「今、俺にキスされると思って咄嗟に目を瞑ったんだろ?」
「それは……」
確かに博臣先輩が言った通りだけど……
それが何だと言うのだろうか……?
「華菜が目を瞑ったってことは俺に少しでも好意があるということだ」
「えっ、何言って……」
「俺のことが本当に嫌いだったら俺を拒絶するはずだ。 なのに華菜は拒絶をせず、咄嗟に目を瞑ったのは少なからず華菜が俺に好意があるってことだろ?」
「そ、そんな……こと……///」
もし、それが本当だとして……
まさか、それを確認するために私に顔を近づけて……?
「今だって、華菜は俺と普通に会話をしている。 本当に嫌いな相手だったら"あんなこと"した奴から逃げるもんだろ?」
「‼︎」
それは、確かにそうかもしれない。
じゃあ、まさか博臣先輩が言ってるように私は、本当に博臣先輩のことを好きってことなの?
そう思ったら顔が急に熱くなってきて……
胸のドキドキもさっきより増した気がした。