第10章 博臣先輩がそんな人だとは思いませんでしたよっ‼︎
私達の前に現れたのは博臣先輩の妹の美月ちゃんと神原秋人が好きそうな眼鏡を掛けた子、栗山さんだった。
「あなた達、こんな所で何やってたのよ。 今日は部活は無い日だったはずでしょ?」
「そうですよ、なのにどうして先輩方は部室のほうから……」
私は二人の言葉を聞いてポカーンとしてしまった。
「え、今日部活が無いってどういうこと……? 私、知らなかったですよ⁉︎」
「美月、俺も知らなかったんだが……」
「私はちゃんと秋人に伝えたはずだけど?」
そう言って美月ちゃんは神原秋人の顔を見る。
「……?」
神原秋人は黙り込んでしまった。
「というより、秋人すら部活が無い日だってこと、忘れてたんでしょ?」
「あ、あぁ……」
あぁ、だからさっき会った時に『部活は?』なんて聞いてきたのか……。
でも、博臣先輩は幽霊部員をやってるのに、なんで今日に限って部室に行ったのかな……?