第8章 勢いで呼んじゃった……⁉︎
私は神原秋人に両手で口を押さえられ続けられてるせいで苦しくなり、神原秋人の腕を軽く叩いた。
「あ、あぁ……ごめん……」
「本当に何なんですか、いきなり……」
「いや、ほら……あまりに君が大声を出すから周りからの目線がさ……」
そう言われ、私は周りを見回す。
確かに、廊下を歩いてる生徒がチラチラと私達を見ていた。
「……なんか、すみません……」
「いや、いいよ。 べつに」
「はぁ……私、もうあの部室には行きたくない……」
「何で?」
「だって、あそこに行けば変態がいますから……」
「変態って、博臣のこと……だよな?」
「はい」
「その呼び方、やめたほうが良いと思うよ?」
「へ?」
「多分、アイツのことだから……」
神原秋人がそこで言葉を切った。
いや、切ったのではなく遮られたのだ……
ある人物の声によって……。
その声の主に私は背筋が凍り付いた。