第7章 私がリアルに妹だったから…?
「春野さん、博臣に気に入られちゃったんだね……」
「は?」
「というか、春野さんってリアルに妹だったりする……?」
「え? ま、まぁ……はい……」
「そうか、やっぱり」
そう言って神原秋人は一人で納得していた。
「な、なんですか、一体?」
「お姉さんとお兄さん、どっち?」
「え……?」
「"きょうだい"だよ」
「え、えっと……兄が一人……」
私がそう言うと神原秋人は哀れな目で私を見つめていた。
なんなの、その目は……?
「博臣にとって、君はドンピシャだったんだよ……」
「はい?」
「春野さんが妹だったから、博臣に好かれちゃったんだよ」
「……意味がわからないんだけど……」
私が妹だったから好かれたってなんなの?
「博臣はさ、妹大好き人間だから」
あぁ、そういうことですか……
つまりは私がリアルに妹だったから博臣さんが暴走してたってわけなのね。
「なるほど、納得……って出来るかっ‼︎」
「ちょっ、廊下で大声出すなよ。 周りの迷惑になるだろ⁉︎」
そう言って神原秋人は私の口を両手で押さえた。