第6章 貴方が先輩だなんて認めないっ‼︎
「なら"先輩"と呼べばいいじゃないか」
「いやです。 例え貴方が私の先輩だろうと私は貴方を先輩なんて呼びませんから」
「それは俺のことを"お兄ちゃん"で呼びたいってことなのか?」
「はい……?」
何処からそう言う話になったのかな?
私はまだ神原秋人から言われた『博臣は先輩だ』って言う話を信じ切っていないから先輩呼びをしないんです。
確かについさっき仕方なく、先輩だと言う事は認めるとは言った。
言ったけど、やっぱりこんな変態を先輩だなんて認めたくないです、あの言葉を前言撤回したいくらいだ。
寧ろ"さん付け"すらしたくはないんだ。
けど、一応年上だから仕方なく、だ……。
それなのに、"お兄ちゃん呼び"なんてもっとしたくない。
不愉快極まりないです、博臣さん。
なのに、何を勘違いをしたのか博臣さんはそう言った。
「どうして、そう言う話になるんですか‼︎」
「照れることはないぞ、華菜。 いくらでも俺のことをお兄ちゃん呼びするといい‼︎ いや、寧ろしてくれっ‼︎」
「……ッ……!」
私は博臣……さんの言葉を聞いて後ずさった。
そして、背筋がゾクリと震えたのはいうまでもない。
「後ずさってどうしたんだ、華菜?」
そう言いながら私に近づいてくる博臣……さん。
何というか、怖いです、博臣……さんっ‼︎
なんだかこのままここにいるのは危険な気がする……‼︎
そう思った私は部室から走り去った。