第37章 今、<答え>を伝える時
俺はてっきり華菜や美月が先に屋上にきていると思っていたのだがそこには華菜の姿はなく、美月だけしかいなかった。
「美月だけ、か……?」
俺がそう言うと美月は頷き「そうだけど?」と答えた。
「…………」
(華菜が待ち合わせの時間に遅れるなんて何かあったのか……?)
俺がそう思っていると後ろのドアが音を立て、開いた。
そして、そこから華菜が顔を出した。
「華菜……!」
俺がそう呼びかけると彼女は肩を小さく跳ねさせながら、「遅くなってすみません……」と言って俺達の元へ歩いてきた。