第36章 複雑な思いのままで……
僕が彼女のことを気になり出したのはいつの頃だったのだろうか……?
僕が彼女を好きなったのはいつだったのだろう……?
今となってはもうわからないことだけれど……
でもきっと、もしかしたら……
僕は彼女が転校してきたあの日、あの頃から……
彼女のことをーー春野さんのことを好きだったのかもしれない。
けれど……
今となっては全て遅いことで……
『……好きなんだ。 春野さんのことが……! だから<答え>を聞きに行ってほしくない……』
僕がそう告げたら春野さんは一瞬戸惑い、困った表情を見せていたけれど、暫くして彼女は目線を下げて、「ごめん……」と呟き、そして僕の手を振り払い保健室を出て行ってしまった……