第33章 美月ちゃんから告げられたのは……
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その頃、博臣はいつもいる屋上のベンチで寝転び、先ほど神原秋人とした会話を思い返していた。
「『……昨日、美月と何かあったのか?』、か……」
まさか秋人がここまでやってきて、俺に問いかけてきたのがそれとはな。 何でアイツは俺を探し回ってまで『そのこと』を知りたかったのか……
「……何となく理由はわかる……」
(どうせアッキーは今朝、華菜と話をしたんだろう……それで俺に聞きにきたんだろう)
理由なんてわかってはいた。
アッキーが華菜の様子を心配して、彼女の代わりに真実を探りにきたんだろうってことくらいは。
(だが……)
わかっていたからこそ、アッキーには詳しくは言わなかった。 ただ、『近いうちに<答え>を出さなきゃならない……』とだけ、伝えた。
俺がそうしたのは、この問題は俺と華菜と、そして美月との問題だと思ったからだ。
だから、アッキーに詳しくは話さなかった。
「けど、このことは華菜に伝わっているんだろうな……」
そうなれば、本当に近いうちに<答え>を出して、二人に伝えなければならない、な。
俺が出した<答え>と、そして<誰を選ぶのか>を……
(あの二人に伝えないとーー……)
博臣はベンチに寝転んだまま目を閉じ、今後をどうするかについてを考え始めるのだった。