第31章 肝心な<答え>は言えずに……
『そういうものだと思います。 兄妹で恥ずかしいって思っているほうがおかしいですよ。 それじゃまるで美月ちゃんが博臣先輩のことを一人の男として見て……』
華菜に先ほど言われた言葉を聞いて俺は一瞬驚き、そして目を伏せフリーズしてしまった。
華菜も冗談でそう口にしていたようだったが最後まで言葉を紡ぐことはなく、彼女も固まっていた。
(……まさか、美月があの時に言った言葉は本当に冗談とかじゃなかったってことなのか……)
俺の頭に浮かんできたのはつい先ほど美月と話した内容で、その時に美月から言われた言葉だった。