第27章 戸惑い
「あ、あの……博臣先輩……手、離して……下さい……」
「……悪いがそれは……出来ない……」
「……えっ……?」
「今、お前の手を離したら……一人になる気がして……」
そう言って、博臣先輩は私の手を握りしめる。
(博臣、先輩……?)
「俺は今……一人に……なりたくは……ないんだ……」
「……」
「だから……頼む……ここに……いてくれ……」
「っ……!」
(そんなふうに言われたら……)
拒めないよ……
拒めるはずないじゃない……
だって、こんな……
こんな……
普段見たことのない……
寂しげな表情をしてる博臣先輩を見てしまったら……
拒めないじゃない……。