第24章 それでも貴方は私を好きだと言ってくれる。
いきなり現れて大騒ぎをしてた兄貴を部屋から追い出して私は大きなため息を一つ吐いた。
「……はぁー……全くうちの兄貴ときたら……」
「兄を追い出したりして良かったのか……?」
「いいんです。 というか、追い出さないともっと煩くなるので……」
博臣先輩にそう言うとドア越しに兄貴が声を上げた。
『おい、俺はまだ話があるんだ! 部屋に入れてくれよっ⁉︎』
「煩い、兄貴‼︎ 兄貴と話すのはいつでも出来るでしょっ!」
『だが俺は今……』
ドア越しにそう声を上げる兄貴に向かって私はトドメの一言を浴びせる。
「煩い‼︎ いいから自分の部屋に戻りなさいよっ‼︎」
私がそう言い放つと兄貴からの声は返ってこなかった。
(あれ……?)
「……静かになったな……?」
そんな博臣先輩の言葉に私は戸惑いながら頷く。
「可笑しいですね……」
「部屋に戻ったんじゃないか?」
「……そんなはずは……」
(絶対にそれはない。 きっといなくなったと思わせて私がドアを開けて確認するのを待ってるんだよ。 うん、きっとそうに違いない‼︎)
そう思いつつも段々と心配になってきた私はもう一度ドア越しに声を掛けてみた。
けれど、やはり兄貴からの返事はなかった……。
(……本当に部屋に戻ったのかな?)
そんなふうに思いながら私は部屋のドアをそっと開いた。