第22章 シスコン変態兄貴、現る……?

「だが……そんな時に美月からのメールがきて、それを確認して後悔した……。どうして自分から離れてしまったんだ、って……」
「……」
「嫌がられても、拒まれても、ずっと傍にいるべきだったんだ。 ……そしたら、こんなことにならずに済んだはずなのに……!」

(博臣先輩……)

先輩はそう言って私をギュッと抱きしめた……。


その腕は微かに震えていた……。


「本当に悪かった……」
「博臣先輩、もういいですよ……私だって大した怪我をしたわけじゃないんですから」

私がそう伝えても博臣先輩は首を横に振り悔やみ続けていた。

(博臣先輩……。 ……どうしたらわかってくれるのかな……)

「……美月に言われたんだ……俺は『最低な奴』だと……。 確かにその通りだと思う。 女の子を傷付ける男なんて最低な奴だからな……」
「そんなことないですよ。 博臣先輩は最低な奴なんかじゃないです。 だからもう、自分を否定しないで……いつもの博臣先輩でいて下さい‼︎」

私がそう言うと博臣先輩はピタッと口を閉じ、私を見つめた。