第20章 博臣先輩、私は貴方のことが……
博臣先輩を家に上げてしまった……
なぜ自分がそんな行動をしたのか……
そんな事は自分自身、わからずにいる……
けれど、あのまま博臣先輩と離れてしまうのは嫌だったんだ。
だから……
私は博臣先輩を引き止め、家に上げてしまったんだ……。
「あの……博臣先輩……」
「な、なんだ……?」
(博臣先輩もやっぱり急だったから戸惑ってる……?)
それもそうか……
だって、本当に急な誘いだったし……。
私だって自分で言い出しておきながら
これからどうすればいいのかわからなくて困ってるんだもん……。
(と、とりあえず……)
「え、えーっと……私、飲み物を持って来ます‼︎ つ、冷たいお茶しかないですけどいいですか? いいですよね! 私、持って来ますからっ‼︎」
私は勢いよくそう言い、部屋から出ようとしたのだが……
「待って、華菜。 飲み物はいいから座れ」
「いや……あの、でも……」
「頼むから座ってくれ……」
「……」
(……博臣先輩……)
博臣先輩にそう言われ腕を掴まれている私はそれに従うしかなかった。