第19章 俺の所為でアイツは……
ーーーー…
ーーー…
帰り道……
俺達は静かに並んで歩いていた……。
「……」
「……」
(……せっかくチャンスが出来たのに何をしてるんだ、俺は……!)
俺がそんなふうに思ってると華菜の声が聞こえてきた。
「あの、博臣先輩……」
「な、なんだ……?」
俺はそう返事をしながら華菜の方に目を向ける。
すると……
「私の家に着いたんですが……」
「え⁉︎」
前方を指差しながらそう呟く華菜の指先を見るとそこには【春野】という文字の表札があった。
(し、しまった‼︎ 結局俺は何も言えずに華菜を家に送っただけになってしまったじゃないかっ⁉︎)
そんなことを嘆いていると華菜が呟く。
「あの……家に上がって行きませんか……?」
「⁉︎」
華菜のそんな言葉に一瞬驚きながらも俺は彼女のその言葉に甘え、家に上がって行くことにしたのだったーー……。