SUNNY DAYs(進撃の巨人 高校生パロディ)
第1章 「アイス」(女子三人でエレンの家に突撃する話)
夏期講習の帰り道、私とミカサが公園の日陰のベンチでだらけていると、ビニールをガサガサさせながらサシャが超笑顔で現れた。
「サシャ、何その大量のアイス」
「バイト代一気に入ったので、大人買いしてみました!見てくださいよぉ!この量!」
そういえば、先月のお給料が支払いが遅れてるとかで今月一気に二か月分入るとか言ってったっけ。
サシャはミカサの問いかけに、大きめの袋をガバッと開けて見せた。
「うわぁ…すごーい!食べていいのぉ?」
「いいですよ!いつもお弁当分けてもらってるお礼です!」
んじゃ、遠慮なく!と、私は棒アイスに手を伸ばした。
「うはぁ。うま!」
「私はシャーベット食べようっと!ミカサはどうします?」
「じゃあ、それ」
ミカサはそう言ってバニラのラクトアイスを選んだ。
雲ひとつない空、アスファルトの上に陽炎が揺らめいている。
摂氏32度。スマホで温度を確認すると、日陰でもそれだけ温度が上がっていた。
「あっちーーー!!!」
サシャがうまそうにアイスを食べていたかと思うと、シャーベットを地面に落としながら叫んだ。
「アイス、二個くらい食べたら後のヤツ全部溶けちゃうんじゃない?」
「もったいないから急いで食べてください!!」
そう言って、ラクトアイスの食べ終わったミカサにもう一個進めた。
進められて、今度は棒アイスを選んだ。
ゆっくり食べようにも、溶けちゃうのでそうもいかず。
口の周りだけ、多分10度くらい温度低いと思われ。
「サシャ~。今度はアイスじゃないヤツでやってくれ…」
3つ食べてもう結構限界。
「まだ…ありますよ」
サシャはへラッと笑いながら、まだ半分以上残っている袋を顔の前に突き出す。