第185章 〜後日談〜Halloweenイタズラ〜全員
副部長こと、天野時(あまのとき)と、三成。
最近は図書館で共に昼休みを過ごし、予感、芽生え、意識、日を重ねるごとに、惹かれ合いだした。
まだ、ぼんやりと恋が咲き始めたばかりの二人。まだまだ、発展は見えにくいが……
(悪戯されたくなりますね)
三成は好奇心を隠し、一見天使にしか見えない、微笑みを浮かべた。
黒髪の頭上に付いた、赤い二つの角。黒い膝丈ワンピースに、網タイツ。赤いハートのステッキを手に持ち、普段の凜とした雰囲気を持つ副部長とは、真逆のイメージ。
可愛さとセクシーを両方を兼ね備えた、小悪魔コスプレ。
そして、
(気のせいかしら?違和感がある様なないような……?)
副部長は三成の姿に困惑を露わにし、眉を寄せた。
ある意味、イメージはピッタリ。白の長いワンピースの様なトップス。しかし両サイドのスリットからは、黒いズボンが覗く。首元からぶら下がる金色の大きな十字架。シンプルな装いだが、背後から自然と放つ後光。
手に持つ聖書はまさに、神父仮装。
「凄くお似合いですよ」
「ありがとう。選んで貰った時は、かなり驚いたけどね」
エンジェルスマイルを大サービスして、三成は副部長の手を引くと……
「私の手で浄化しなくては、いけませんね」
政宗と弓乃には聞こえない声音で、囁く。
案外、この二人は、発展が早いかもしれない。年下好きの副部長は、普段の三成の姿と比較して……
(こっちはこっちで良いわね///)
胸をきゅんきゅんさせていた。
浄化されるのは、
さて……どちらが先か。
「しっかし、あの二人遅すぎじゃねえか?」
政宗がガシャンと柵に寄りかかれば、弓乃もその隣でうんうんと、首を上下に動かす。
「スタッフに囲まれて騒がれてたからね。アレもコレも着せたいってね」
「家康先輩も同じく、引っ張りだこでした」
四人は顔を見合わせ、特に何かをコメントすることもなく、後ろで回るメリーゴランドを眺めていた。