第183章 〜後日談〜Halloweenイタズラ〜
Halloween。
元々は古代の民族が起源で、秋の収穫を祝い悪霊を追い出す儀式。
近年、すっかり日本にも定着した人気イベント。日付は、十月三十一日。
九月後半の今は、ショッピングモール、駅前、レジャー施設なんかは一足先に、飾り付け、パーティグッズ販売。ハロウィンに因んだ、イベントなどが行われていた。
『トリック・オア・トリート』
お菓子をくれないと、イタズラするぞ。は、もうお馴染みセリフ。
今日、皆んなで行く遊園地。
ネットで検索してみたら、やっぱりハロウィンイベント開催中になってて……昨夜、ゆっちゃんと副部長とグループ電話で大盛り上がり。
「よし!出来た!タマゴサンドに、ハムサンド、カボチャサンドと……辛子たっぷりカツサンド!」
私はキッチンで一人。
両手を胸の前で握り、ガッツポーズ。
出来上がったサンドウィッチ。ピクニックバスケットの中に、傾かないように気をつけながら仕舞う。
おにぎりは副部長。
おかずは政宗。
ゆっちゃんは、デザート。
三成くんと家康は、現地で飲み物調達、担当。
エプロンを脱いで、部屋に戻った私は、荷物のチェック、メイクチェック、身だしなみチェックして……
最後に、三つ葉の指輪を付ける。
「お父さん!お母さん!ちょっとだけ、帰り遅くなっても良い?」
夜のパレードを見てから帰ろうと思うと、どうしても時間が遅くなる。
普段から部活で遅い日があるから、きっちりとした門限があるわけじゃないけど……遅くなるのが分かってる日は、お伺いを立ててから出掛けるのが我が家のルール。
「家康くんが一緒なんでしょ?それなら、いいわよ。……ね?お父さん?」
「母さん。家康くんが、一緒だから心配なんじゃないか!好青年だとは言え、ハロウィンに便乗して、送り狼に変身したらどうするんだ!うぅ……」
(イベントはやってるけど。本当のハロウィンは来月で。まだ、なんだけどね)
私はただただ、苦笑い。