第181章 〜後日談〜特別なハジメテ〜※R18
「色々?何があるの?」
「……教えない」
ちょっと拗ねた態度。それを見て、放課後に不機嫌だったことを思い出す。
しつこく理由を聞いてみれば……
家康は溜息を吐いて、
重い口を開くように話してくれた。
「……部室の鍵、取りに行ったら。鬼が……次、ひまりが補習になったら部屋まで押しかけるって」
あと、明日じっくり進路希望の相談に乗るとか言ってたみたいで……
「まだ邪魔する気だし」
???不機嫌な理由とそれが、どんな風に関係してるのかは、サッパリ分からなかった。
ブツブツ独り言みたいに文句言う家康は、さっきの甘い家康とは別人。
でも……
「何で笑ってんの?」
「ふふっ。なぁ〜んでもない」
「……ふーん。俺にはしつこく聞いといて、自分は言わないわけ?」
「きゃぁ!!///な、んでシーツ引っ張るの!?///」
「じっくり、見たいから」
どっちも大好きだけど……ね。
何とかシーツを確保して、ベットから降りる。
すると……
「その格好。花嫁みたいに見える」
家康は目を細め笑う。
身体に巻きつけた、
ただの白いシーツ。
「楽しみにしてる。俺だけの為の、ウェディングドレス姿」
返事の代わりに、笑顔で答えた。
次の日。
わらわらと、席に集まってくる皆んな。二シャリと笑う、ゆっちゃん筆頭に……
息ピッタリに声を揃えて、
「「「肌がツヤツヤな理由は?」」」
「「「捻くれ者がご機嫌な理由は?」」」
矢継ぎ早に、質問が降り注いだ。
昼休み。
職員室に向かい……
「デザイン専門科の進学希望か」
「はい!やっぱり一番の夢叶えたくて!」
「フッ。なら、くれぐれも赤点取るな」
そこは、苦笑い。
失礼します。私は織田先生に頭を下げ、軽い足取りで職員室から出る。
「……いらぬ理由まで書きおって」
進路希望
姫宮ひまり
デザイン専門科進学希望
好きな人と約束した、
もう一つの夢を叶える為の一歩。
〜特別なハジメテ〜(完)