第181章 〜後日談〜特別なハジメテ〜※R18
ベットに沈んだ身体。
両腕を私の顔の横に立て、
覆いかぶさる家康。
解けた赤いネクタイは、首襟から今にも滑り落ちそうになって、私の視界で揺れる。
ボタンが二、三個外れ肌蹴たシャツから覗く、鍛え上げられた胸板を見てドキンッと胸が跳ねた。
(全然違う……)
小さい頃、見た身体と。
頭では理解していても、見て感じるのとでは、全然違って……嫌でも意識してしまう。
私とは違う、男の人だって。
「ひまり」
家康は肌にまといつくような、湿っぽい声で私の名前を呼んだ後……
何かの合図みたいにネクタイを、掴み無造作に床に投げ捨てた。
「今度は、消えないように毎日…付けるから」
首筋にかかる吐息。
くすぐったいのに……ゾクゾクと快感だけが先に走り、焦らされてるみたいに直接触れないまま、熱い息だけで触れてくる……
ちゅぅ…。
「あ……っ…」
強く吸い付かれた瞬間、ピリッと電流が流れ……待ちかねていたみたいに身体は素直に反応。ピクンと一つ跳ね、口から溢れるはしたない声。
そんな声が出たことに羞恥が激しく込み上がり、漏れないように両手で塞げば……
「何で、塞ぐの……」
再び、ベットの上に戻される。
(だっ…て///…はずか…しい…)
目線だけでそう訴えると、家康は大きく目を張り、私の手をグッと押し付けて……
「その瞳は反則。あと、ひまりの声、聞きたいから…」
塞ぐの禁止。
カプッと耳を甘噛みされ、クチュリと耳の中に舌が差し込まる。
クチュ………
「やぁ、ん……やめ…」
快感で身体の自由は奪われ、
「声、可愛い………」
甘く痺れる言葉に、頭が真っ白になる。
こんな家康…知らない…。
グチュクチュ…脳にまで響く水音。
差し込まれた舌が耳から離れ、
這うように頸から鎖骨に降りて……
プチ……プチ……
ひとつひとつ……
ブラウスのボタンが、外されていく。
「んッ……」
露わになっていく肌から順番に、キスが降り続き……胸元のボタンに差し掛かった時……
一瞬だけ、家康の手が止まる。