• テキストサイズ

イケメン戦国〜天邪鬼と学園生活〜

第144章 涙色の答案用紙(8)※小学生時代




「家康?なんか顔赤いよ?」


「さっき、唐辛子入りクッキー食べたからじゃない?」



唐辛子入れてないのに?


なんでだろう??






ーー唐辛子はないみたい!他に何か入れれないかな?

ーーなら、私とひまりちゃんの愛情を入れるのはどう?

ーーえ?愛?

ーーお母さんがね。カレー作るときに良く言ってたの。愛情は良いスパイスになるって。





二人で声を出して作ったクッキー。




『美味しくな〜れ!』




魔法の言葉。






そして、



「見て見て!さっきね発見したの!ハートが三つあるとね!三つ葉の形になるんだよ!」



キャンディーを袋から開けて、手の上に私は乗せる。家康は、珍しく本当に珍しく……




「へぇ。ひまりにしては、珍しく大発見とか?」




キラキラ光る太陽みたいに、眩しく笑った。








図書館で本を返した後、おじさんが迎えに来てくれるまでの間。図鑑を片手に外で待つ。



「え!ヒマワリも薬草なの?」

「まぁーね。ヒマワリの油にはリノール酸が……って、聞いてないし」

「家康ーっ!見て見て!この図鑑に乗ってる花見つけたー!」

「ひまりーっ!そこ危な……あ、ドジ」



派手に転んで、膝から血が流れる。



「泣くな!コレぐらいで!」

「グスッ…泣いて、ない…もん」

「ほら、ハンカチ」



私はポケットに入っていたハンカチを渡す。
すると、それを使って家康は手慣れた手つきで、包帯みたいに膝に巻いてくれて……




「はい、応急処置おわり」




キュッと結んで、手を離した。



「あ、りがとう。やっぱり、上手だね!」

「もう、笑ってるし。単純」

「だって!家康が手当してくれると、痛くなくなるんだもん!」




ありがとう!




家康は横に目を向けて、ぽりぽり頬をかくと……





医者になっても






「ドジはさすがに、治せないけど」






???



小学校の夏休み。
幼馴染三人の思い出の一日だった。



/ 1793ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp