第125章 『oceanブルーの横顔』(大学生version)
オーシャンブルーの光道。
二人に手を引かれ。
私の時間が動き出す。
魚や動物が間近で見れる透明のカプセルの中に頭を入れて、三人で感動して、驚いて、沢山笑った。子供目線が創り出す好奇心、体験。無理に背伸びした私には、見えなかったモノ。知ることが出来なかったコトを……
「楽しいねーーっ!」
「「うん!次はあっちーーっ!」」
二人が教えてくれた。
私は二人にもう少しだけ遊んで欲しいと、お願いをする。そしたら、快く頷いてくれて。家康に笑顔で会いに行けるように。もし、探し出してくれた時に笑顔を浮かべている私の姿を、見つけて欲しかったから。
笑って、元気になったら。
昔みたいに、高校生の時みたいに。
拗ねて、怒って。
駄々こねて……
凄く悲しかったんだから!
ほんとは、寂しかった。
でも、一緒にいたかった。
探してくれて、ありがとう!
全部の感情を、
素直に言いたかったから。
「それにしても、ユウタ君!すっごい背伸びたね!やっぱり男の子は、成長期が来ると早いね!」
「まだ、クラスでは真ん中ぐらいだけどね!」
私は手で、あの時はコレぐらいだったのにね?って、空中で手を動かしてその時の身長と比較してみる。
「私も?私も?」
「ふふっ。そうだね!ひまりちゃんは、コレぐらいだったかな?」
まるで運命みたいな、偶然の私達。
名前も、白のワンピースもお揃い。
親近感を通り越して、自分の小さい頃を見ているようだった。
偶然。
二人がさっき大水槽の近くに居たのは、ほんとに偶然だったみたい。男の人に言い寄られて、困ってる私を見てユウタ君が、家康の言葉を思い出してくれたんだって。
ーー俺のお姫様奪おうとする悪党のこと。
(お礼にアイスクリームでも買ってあげたいのに……)
鞄にお財布が入ってるから、今の私は一文無し。ほんと、大学生にもなって情けない。