第124章 『oceanブルーの横顔』(高2の夏)
水族館……。
小さい頃から大好きだった。
青白い照明(オーシャンブルー)
に照らされた大きな水槽。
薄暗い館内が創り出す幻想的な世界。
ガラスに近づいて……
水槽の中を見つめていると……
まるで人魚になったみたいで……
お母さんやお父さんに、
呼ばれるまでずっと……見ていた。
すぐ何でも夢中になって、
時間なんか忘れてしまって……。
はしゃいでたあの頃。
まだ背も小さくて、お父さんに肩車して貰ったり、抱っこして貰ってた。
それでも一度、迷子になった時があって……一人ポツンと泣いていると、優しい係員さんが気づいてくれて、迷子センターに連れて行ってくれた。
「白いワンピースを着た……」
私の名前と特徴を館内放送で流れ……
そしたらすぐに両親が迎えに来てくれて、本当に嬉しかったのを今でも印象的に覚えてる。
小学校に上がる前の、幼稚園の頃の話。
そして、今は
(どうしよーーっ!携帯も鞄の中に入れたままだよーーっ!)
高校二年生になった今でも……
『私は、迷子中』