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イケメン戦国〜天邪鬼と学園生活〜

第117章 夏の大三角(18)大会編




翌日___

会場に向かう選手専用バスは、個人予選敗退した私も乗せて走り出した。本来なら、応援組の私は別のバスに乗る予定だったんだけど……

昨夜、織田先生から突然掛かってきた一本の電話。




「混合戦に出場しろ」

「え!?私がですか!?」

「貴様に拒否権などない」




要件と時間だけ私に伝えた後、




「……ひまり。今日の弦音は、良い音だった褒めてやる」




優しい言葉を掛けてくれた。


混合戦は男女混合、五人立。

今大会の出場校が少ない為、予選も含め半日で個人戦の前に、行われる。試合数は少ないとは言っても、午後から個人戦も出場する秀吉先輩と、家康の体力負担は大きい。


副部長は個人戦に集中したいからと、辞退したみたいで、その枠が私に回ってきたとバスに乗る前に説明を受けた。



「織田先生、引退する三年生を中心にチームを組んでくれたみたいで!厳しいけど、気心働かせてくれる素敵な先生だよね!」


「ふふっ。本当ですね!私も、全力で頑張りますので、よろしくお願いします!」



窓際に座る同じチームの先輩の隣で、会話を弾ませる。近くの席に座る殆どが今日で引退をしてしまう先輩達。

織田先生の数々の鬼練話。
明智先生が実は、普段は茶道部に顔を出している話。


そんな話題で、

一頻り花を咲かせた後……


ただじっと前を見ている、私の席から斜め三列前方にいる三成くんに視線を向けた。


昨日、突き飛ばしてしまった事を頭では謝らなきゃ。って思うのに、挨拶も出来ないままバスに。



(結局、大事な話も何かわからないまま、逃げるみたいに……)



ーー貴方の視線を独り占め、させて下さい……っ。

ーー明日の個人戦。必ず射抜いてみせます。家康先輩よりも先に。貴方の心を。



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