第104章 夏の大三角(12)殿様ゲーム編
それと……
殿様が一つ自由に命令出来る権利。
しかも番号でなく、名指しで構わぬ。
ピクリ!!
勿論、二人以外の武将達もそれに反応する。金平糖口移し。あの小さき飴のような砂糖菓子を口移し……間違いなくキス同然の行為が必要。
残りの殿様は、副部長、ひまり、家康の三人。恐らく女性陣が引けば、自分たちを避け二つの番号を選び、最悪の事態を招く危険性があるが……。
副部長が引けば、
ひまりと出来る可能性はある。
ひまりか家康が引けば、
最悪の事態が発生。
他の武将達がヒヤヒヤする中。
一番有利な立場になった家康は、大きく揺れ出す。
(番号さえ当てればひまりと、口移し。殿様権利を引けば、自由に好きな命令を出せる。……例えば、普通にキスして貰うとか……あんなこととか……あんなこと……///)
暫く悶々と繰り広げた結果。
やるしか無い!
棒読み同然。一切の感情を脱ぎ捨て、動揺せずサラッとさえ言えれば……
そう思い眉間をキュッと寄せ、精神統一を行い始めた。
そして三成も大きく揺れ出す。
(私にとって利は少な過ぎる。しかし、こうなれば家康先輩は必ず実行。となると「家康はちゃんとしたのに、三成くんはしないんだ……」となり…男として、人としての株が暴落してしまう危険性が!)
何故か眼鏡をはめ。
クッと腹を括り、信長への告白でヒビが入った心を修正し……先手の方が男度が上がると踏んだ。
その時、
「ひまり。二人に手本を見せてやれ」
「え?お、お手本ですか?」
「流石に手本が無ければ、男二人には想像つかんだろうからな」
明らかに意味ありの笑み。
信長は明らかに何かを企んでいる。
そして恥ずかしながら、
二人に協力出来るならと、
赤ちゃん言葉で
「えっ、と///姫宮ひまりでちゅ?ちゅきなたべものはぁ〜ふわぁふわぁたまごばぶっ?……みたいな///」
照れっとしながら、笑うひまり。
難易度を遥かに、上げてしまった。
(((可愛い……っ!///)))
そう素直に思えたのは、家康と三成以外の者。
((な、なんて!))
((い、意地悪なお姫様!))
二人は開いた口が塞がらなくなるぐらい、ショックが大きい。