第104章 夏の大三角（12）殿様ゲーム編

異様な空気の中、行われた告白タイム。ヒヤヒヤする者も入れば、必死に笑いを堪える者。頭を抱える者。



そして、


「胸をこれ程にも熱く、焦がしたことはありません。貴方様だけでございます」


ほぼ、無感情での棒読みの台詞。



「三成？俺の心ノ臓は、ちっともきゅんきゅんなどしないが？」

「織田先生のハートは鋼で出来ているからでは、有りませんか？」



もう、立っているのもやっとの三成。笑顔を必死に保っているが、心はズタズタになり見えない部分には、汗をどっと流していた。



「くっ……俺、限界」

「俺は、胃が痛くなってきた」



口元を手でグッと押さえつけ、くるっと背中を向けて肩を揺らす家康。秀吉は胃を守るようにして撫ると、盛大なため息を吐く。


ひまりは、キョトンとして二人の成り行きを見ている。
そして、頭の中で……


きゅんきゅんしたら、何て返事するのかな？先生は？


間違いなく一番となった罰ゲーム。
三成の心が壊れる寸前まで続いた。


夕食の時間が近づく中、急ピッチで王様ゲームは続行。

やっと順番が回ってきた政宗。残り少なくなった箱の中から、サッと取り出した一枚。



「赤ちゃん言葉で自己紹介だぁ？」

「……悪趣味な命令」


家康はボソッと呟く。


「私はこれ以上、心が持ちませんので！外して下さい」



普段の三成ならソツなくこなせそうな命令だが、流石にさっきの罰ゲームでダメージを受けていた。



「赤ちゃん言葉って、語尾に何かつけるってこと？」

「ん〜〜例えば、でちゅ？とかかな？」



私、絶対無理だわ！と拒否反応を起こす副部長の隣で、ひまりは顎に指を立て、それともばぶばふ？と真剣に考え始める。



「とりあえず時間ねえ。一番と八番な！」


政宗は確実に自分を外し、
適当に最初と最後の番号を指摘した。





「「えっ！！」」



同時に声を上げたのは……？