第98章 夏の大三角(7)肝試し編
「きゃっ!……」
震えていた足を急に動かしたせいか、地面の上でもつれて……
体がぐらっと傾いた時。
優しい香りと温もりに包まれた。
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「……遊んでやる」
狐の面の下。のっぺらぼうの顔を晒し、じりじりと三成とひまりに近づいた時。
背後から現れた二つの影
家康と副部長。
そして、
小道具で仕掛けた青い光が消えた時。
それが合図のようになり、
副部長は走り出した。
「ひまり先輩!」
サラリと靡く長い髪。
三成は追いかけ……
そして、
グイッ!!
(上手い具合に……)
分かれて逆方向に走りだす四人の足音を、光秀は確認し……
ペリペリと特殊メイクを剥がした。
さぁ。最後の砦……
ドンドン!
「先生ーーっ!出して下さい!」
「明日の鬼練、見逃して下さい!」
リタイアした者を、小屋に閉じ込め。
「……早く来い。地獄を見せてやる」
ニヤリと
不気味な笑みを浮かべた、信長。
ドキドキ肝試し本番。
ここから始まる……?
木札を無事に手にする者は、
現れるのか……。