第13章 卯の花月(1)
いつもと変わらない朝。
でも昨日とは違う朝が、始まった。
布団の中でもぞもぞと手を動かし、携帯のアラームを止め。
ほわぁとした意識の中ふかふかの枕に顔を埋め……
起きなきゃ。
でも……あと3分だけ。
もうちょっとだけ……
眠気と葛藤。
それから少し余韻に浸り、私はようやくベットから起き上がる。
制服に着替え、忘れ物がないか確認。
リビングでテレビを見ながら朝ご飯を食べて、歯を磨き、髪型を整えて、仕上げに……
ぷるぷる潤い、ほんのりピンクに染まる唇。
よしっ!今日も頑張ろう♪
鏡の前で軽く笑顔を作る。
家康が誕生日にくれたリップ。
それをポーチの中に戻して……
玄関に向かった。