第91章 『一ヶ月記念作品』時を越えるルージュ
駅前で見つけた高校生の美少女。
まさに、
自分が思い描いたイメージ通り。
俺は、声を掛け新作ルージュの広告モデルをお願いした。最初は詐欺か何かと勘違いされ、やんわりと断られたが……
身分証を見せ撮影内容を簡単に説明し、縋るような気持ちで頼んだ。すると、何故か周りにいた男性陣が乗り気になり……彼女を説得してくれた。
「少し、ここで待っていてくれ」
七人を控え室に案内する。
俺はアシスタントに、何か飲み物を出すように頼んだ後、スタジオに入った。
中にいたスタッフに、衣装チェック、撮影構成、スタイリストに細かくイメージなどを伝える。
クリスマス時期に合わせ、
売り出したい新作ルージュ六色。
『時を越えるルージュ』
まず、
和の雰囲気をイメージをした三色。
真紅
紅赤
淡紅
器も丸いフォルムで、紅のように筆で塗るタイプのルージュになっている。
こっちの撮影は、
織田信長さん、明智光秀さん、豊臣秀吉くん。三人に協力をお願いをした。
そしてもう一つは、
洋の雰囲気をイメージした三色。
ベビーピンク
コーラルピンク
ローズピンク
一般的なスティックタイプのルージュだ。
撮影協力は、
徳川家康くん、伊達政宗くん、石田三成くんにお願いしてある。
「彼女に一人ずつ絡んで貰い、カット撮影を行う。一番広告のメインなる大カットは、様子を見て決める!」
俺は机の上にコンテを並べ、
各自目を通すようにと念を押す。
「それにしても、編集長!あんなイケメンと、美少女イッペンに良く見つけれましたね!」
「早く、撮影はじめましょう!どんな風に変身するか楽しみで!!」
スタイリスト担当の者は興奮気味に、腕をならした。
こうして打ち合わせが終わり、機材チェックとスタジオ作りを始め、カメラマンと最終確認を終えた頃……
「モデルさん入りまーす!」