第90章 夏の大三角〜開幕〜
偉大な戦国武将と
同じ名前を持つ六人。
その全員に大切な人、
好きな人がいるのがわかった。
なら、
私の運命の人……は、一体。
佐助君の今までの言葉が浮かぶ。
あの手紙を貰ってから……
ーー君は姫に選ばれた。そして今度は君が運命の相手、戦国武将を選ぶ番だ。
前より皆んなの事を意識して。
ーーそれは、君がキュンキュンしたり、時には悩んでハラハラして……色々な体験をする内に辿り着くはず!
心が目まぐるしく動いた。
ーーまさに、いい傾向だ!うん!うん!後、一歩という所まで来ている!!
後、一歩。
後、一歩で私の中の何かが……。
下駄箱に入っていた、
見覚えのある一通の手紙。
戦国姫へ
『ある戦国武将は、貴方を求めて止まらない』
差出人不明。
ただ、そう書かれただけの短い文面。
トクンッ。
一瞬、頭に浮かんだ一人の戦国武将。
私を求めて……?
なら、私が選んで求めるのは……。
二通目の手紙。
この夏。
大きく運命が動き……
ある想いへと辿り着く。
その前兆を
知らせるモノだったのかもしれない。