第86章 『年頃の男の子妄想夢』三成様side※R18
(先輩と二人きり……)
もう、
私の頭の大半はその事で占め……。
スパァーン!
矢を放つ姿見に惚れ惚れとし、
ひまり先輩の横顔が……
先ほどから、
私の胸の的に当たるばかり。
(はぁ……。あのチラリと覗く腰帯)
熱い吐息が漏れ、
集中しようにも気が付けば、
先輩に目線がいってしまう。
「三成君?さっきから、どうしたの?」
「先輩に見惚れていました」
私は、正直に本当の事を。
しかし、先輩には
お世話としか受け取って貰えず、
「ふふっ。ありがとう!でも、何にも出ないよ?」
何故でしょう?
家康先輩が同じ台詞を言えば、
顔を可愛らしく染め、
慌てだすというのに……。
年下の私では
役不足なのでしょうか?
それとも、
男として見て頂けてない可能性も…
少なからず有りそうですね。
「少し、休憩しましょう。今、お茶を淹れて来ます」
「そうだね!ありがとう!三成君!」
私はニッコリと笑い、
お茶を淹れに部室へと向かう。
紙コップに氷を大量に入れ、
お茶をコポコポ注ぐ。
湯呑みでないのが少し味気なく、残念ですが贅沢は言えませんね。私はソレを盆の上に乗せて運ぶ。
そして……。
「きゃっ……」
「す、すいません!躓いてしまって……今、タオルか何かを…っ」
先輩の胴着に
お茶を派手に溢してしまい、
急いで濡れた胸元を拭く。
「み、三成君///自分で出来るから///」
「しかし、私に責任が」
シミになると大変ですから、
今すぐ着替えましょう!
そう言って、へ?と混乱する
ひまり先輩の手を引き、
男子更衣室に連れて行く。
「み、三成君!何で男子更衣室に!」
「何となくです」
勿論。
カチャリ。
扉の鍵は掛けさせて貰いますが。