第11章 手紙と「謎の大学生」
けど、この後___
「これ、家康君の所におすそ分けしてきて」
「はーい!」
私はパーカーを羽織り、家康に手紙の事を話そうとポケットにしまう。
お母さんに頼まれた肉じゃがをタッパーに詰めて、外に出た。
春特有の突風が吹き……
(あっ……!手紙!!)
ポケットからはみ出てた手紙が夜空に舞う。
「………君、選ばれたんだね」
何処からか、現れた男の人。その手にはあの手紙が握られてて……
「へ??」
「驚かせてしまって、すまない。俺は、歴史をこよなく愛す大学生だ」
完全に怪しい人なのに、握手を求められつい応えてしまう。無表情で何だか掴めない人。だけど、直感で悪い人ではない気がした。
「あの……選ばれたって?この手紙の事、何か知ってるんですか?」
「俺が今言えるのは、君の運命の相手が戦国武将だという事と言い伝えが関係してるという事だ」
「戦国武将ってあの??この時代に??」
「君の身近に居るんじゃないか?例えば、戦国武将と同じ名前を持つ男が」
それって……。
あの六人の事?
言い伝えって学園のジンクスの事?
そう言えば占いでも、身近に運命の人が居るって……確か。
「俺のことは佐助君と、呼んでくれ。また、様子を見に来る。君は是非、運命の相手を探す〜戦国学園ライフ〜を楽しんでくれ!」
じゃ!と、言って忍者の如く姿を消した、佐助君。
私は暫くぽかーんと口を開けて、空を見上げた。
なんか良く解らないけど。
(あの六人の誰かが、私の運命の人って事なのかな?)
また、様子を見に来てくれるみたいだし。その時に詳しく聞いてみようかな?
早速、家康に話すと……
「で?そんなバカみたいな話、信じる訳?」
運命の人、候補……
早速、一人減ったかも?
こうして、何気なく始まった
私の運命の人探し。
ドキドキハラハラ。
ちょっと大人の戦国ライフが幕を開けた。