第83章 『七夕の織姫レシピ』
二人がベットの上で、
戯れ合って?いる頃……。
「あなた〜♡コレ、見えない所に付けてあげて♡」
庭先で、家康の両親は笹の葉に短冊を付けていた。
「昔のやつじゃないか?」
「実は、最後に七夕祭りした時。流すの勿体無くて、とっておいたのよ」
家康の母親はその短冊を渡す。
「すっかり、短冊書くの忘れてるみたいだからね?」
「二人共。この願いごと叶ったみたいだしな」
家康の父親は一番天辺にソレをつけると、天の川を見上げた。
「今日みたいに賑やかな日。早く、来るといいな」
「ほんとね。私達のお願いごと、もう一つ追加しようかしら?」
二人がリビングに戻る中。
天辺にぶら下がった二枚の短冊が、風に揺れ仲良く寄り添う。
『大人になるまで、一日だけひまりをおれのおよめさんにして下さい』
徳川家康
『いつかおいしいお料理が作れるようになって、家康が全部食べてくれますように!!』
姫宮ひまり
七夕の織姫レシピ〜おわり〜