第83章 『七夕の織姫レシピ』
休日と重なった、七夕の日。
朝、一件のメール。
『今日の夕方!お邪魔させて貰うね!』
見た瞬間、
俺は布団から
もぞっと顔だけ出し、
(わざわざメール?)
いつも、用事ある時は普通に来るのに。
暫くぼんやりした頭で、
考えた後……
『どーぞ』
素っ気ない短いメールを送信。
そして、
再び布団に潜ると一人で悶絶し始めた。
(も、もしかして……///!)
この前、出した宿題。
もう出来て、ついに告白とか!
七夕にあやかって!
ーー家康の彼女になりたい。
とか、書いた短冊とか渡されたら……。
ーー私のお願いごと。
家康にしか叶えられなくて。
とか、上目遣いで言われたら……。
ーー一夜空の天の川。
家康の部屋で一晩、見たくて。
で、ベットの上に座られたら……。
(俺、嬉しくて泣くかも!)
淡い期待が独りでに膨らむ。
ゴロゴロとベットで転がってる間に、ゴンッ!壁に頭を打ち付け、押さえながら起き上がった俺。
壁に掛けてある、
カレンダーを見て……。
ちょうど夕方まで予備校だし。
朝の内に部屋の掃除を済ませ、駅前に向かった。